以前他ブログにて投稿していたレビューの内容(2021/3/8)と、2022年7月現在までの改造の遍歴をまとめて記載していこうかと思います。
ストラトやテレキャスの時と同様に長文になるかと思いますが、お付き合いいただけると幸いです。
(2021/3/8執筆)
購入に至るまで
遡ること2017年。
これまで何度かブログに出している白アメスタストラトと、全く同じ日に購入しました。
あの日が人生で一番お金を使った日ですね。
今考えてもどうかしてました。
PRSを買った理由としてはLinkin parkに対する憧れが主にあり、買うなら絶対本家custom24と心に誓ってました。
3年以上使ってみてのレビュー
さて、ここからがレビューとなります。
外観
色はcharcoal burstです。
金のハードウェアと黒の本体がめちゃくちゃかっこいいんですよね。
杢目が立体的に見える上、光の当たり具合で表情が変わるため見ていて飽きません。
また30th anniversaryということで細かい部分が変わっており、ロッドカバーにもそのように記載されています。
指板のインレイも限定仕様です。
サウンド
一番大切な部分ですね。
評判の高い85/15ピックアップはこの30th anniversaryから搭載されたモデルのようで、出せる音のバリエーションに富んでいます。
セレクターは5wayになっており、theハムバッカーという音からテレキャスのようなチャキっとしたサウンドまで網羅しています。
詳細については以下のサイトを見るとわかりやすいです。
https://www.ishibashi.co.jp/sale-event/16668
ハムバッカーのノイズの少なさや歪みのノリは勿論、ハーフトーン時のシングルPUのような澄んだクリーンやギターボリュームの追従性には特に驚かされました。
これ一本あれば事足りると言っても過言ではありません。
ストラトのフロントの音、テレキャスのセンターの音に置き換えられるとまでは言いませんが、確かに”シングルコイル”の音が出せます。
少なくとも安いギターに積まれているシングルPUよりは芯のある良い音です。
メインであるハムバッカーとしての音に文句がある人はいないと思いますね。
味付けの薄さがPRSの特徴に挙げられがちですが、それこそが最大の特徴であると言えます。
クリーンからハイゲインまでそつなくこなします。
操作性
ロッキングチューナー
生まれて初めて使ったのですが、他のギターも全てこれに載せ替えたいくらい便利な機構です。
普通のペグだと、ストリングポストに巻きつけるために余らせる弦の長さを間違えただけで、何度もやり直ささせられる羽目になりますし、そうでなくても見栄えが良くなるように巻くのは一々面倒です。
何度ストラトで弦交換を失敗したか……
ロッキングチューナーならポストに巻きつける必要もないので、初心者でも簡単に弦交換出来ますし、なによりチューニングの安定感が増します。
ボリューム、トーンつまみ
自分が所持しているギターの中で最も「軽すぎず重すぎない」適度な抵抗感で扱い易いです。
またストラトほど近くなく、テレキャスほど遠くもない絶妙なポジショニングですね。
5wayブレードスイッチ
これも程よい位置です。手に当たる部分が大きく取ってあるので手が痛いなんてことは無いです。
ストラップピン
ここだけは唯一、純正のものが大きすぎて気に入らなかった為、ERNIE BALLのストラップロックに変更しています。
トレモロ
固定して使ってるので特に書くことなし。
特別気に入ってる点
ネックの剛健さ
これは本当に凄いです。
専らチューニングを変えるし、なんならチューニングしたまま放置することなんてザラにありますがここまでネックが反らないのは初めてですね。
極太ネックの癖にダメダメなテレキャスくんにも見習ってほしい…()
弾きやすさ
様々な要因が絡み合って生まれているメリットのように感じます。
例えばスケールで言うと、ロングスケールではない為ストラトと比べてフレット間の移動がだいぶ楽です。
またボディのコンター加工もドンピシャで弾く姿勢を選びませんし、座る時は左右どちらの足においても安定します。
ここら辺のトータルバランスは良く出来ているなとつくづく思いますね。
今後の改造予定
ここまで散々褒めちぎってきましたが、少しは変更・改良したいなという点もあるので備忘録も兼ねて書いていきます。
PU交換
現状音には文句なし100点満点なんですが、如何せんカバードのピックアップが好みなんですよね。
bare knuckleのカバードピックアップに交換予定です。
また、PU交換に合わせてコンデンサや配線も変えてもらおうかと。
3wayセレクタ+コイルタップ化
5yayセレクターの不満として、曲中にハーフトーン選ぶのが難しいですね…。
結局3つしか音使ってないので、3wayセレクター+コイルタップ化を検討中です。
リフィニッシュ
高いものこそドンドン使ってやらないと!というモットー故、振り回したりぶつけたりした傷で塗装が結構剥げてきています←
PRSの持病とされる白濁はまだ起きていませんが、ゆくゆくは気分転換も兼ねてリフィニッシュしたいですね。
ステンレスフレット化
これも演奏に支障をきたすレベルで減ってきたら変えようかなって感じです。
消耗品であるとはいえ、フレットに気を割くのは面倒ですし。
総評
20数余年の中でもトップレベルで満足した買い物です。
他のギターと比べれば高額ですが、それに見合ったスペックだと思います。
fenderやgibsonと比べると歴は浅いですが、古いほど良いとされがちなギターの中では、ある意味珍しい『新しいモデルの方が良い』メーカーですね。
(電気製品であるギターが古いほど良いとされているのも中々変な話ではありますが、この話題は闇が深いので割愛)
この辺に関しては、ほぼ全てのパーツを独自開発し、型に囚われることなく年々改良を続けているPRSならではの魅力だと思います。
問題点としては、また別のPRSが欲しくなってしまうことでしょうか()
これからも成長が楽しみなメーカーですね。
(2022/7/25追記)
当時はKORGが代理店を務めており、私の場合30万弱で新品のCustom24を購入出来ましたが、2021年より代理店がPRS Japanに変更となり現在では新品で50~60万円くらいの金額設定になってしまいました。
良い木材が減っていってるため、値上げはどうしても避けられない部分だと思います。
ギターに限った話じゃないですが、欲しいものは買えるうちに買っておいたほうが良いですね・・・。
値上げだけならまだしも、生産中止なんてことも珍しくないですから。
日割りで考えた場合でも早めに購入して長く使えば、その分安く買えたと言えるはず。
さて、前回レビューを書いてから約1年ほど経ち、また少し改造を行いました。
以下に内容をまとめておきます。
1回目の改造(ダウンチューニング専用機へ)
近年のラウドロックは6弦でどこまで音を下げられるかのチキンレースみたいになってます。
そういった曲も演奏できるように、ドロップC~Aに対応したダウンチューニング専用機とするための改造を施しました。
ピックアップの交換
Bare Knuckle PickupsのRagnarokに換装しました。
高い買い物だし失敗したくないなと思って、本家HPから直接オーダーしました。
以下にやり取りを記載します。
この度は注文してくれてありがとう!
(中略)
あとリアピックアップの弦間ピッチ教えてくれない?
既に弦外しちゃってたから、ピックアップのコイル間測った写真とブリッジの写真の計2枚送付するね。
これ見る限りだと50mmが丁度よさそうだね!
といった感じ、実際はDeepL頼りのガバ英語でしたが親切に対応していただけました。
あとPRSのピックアップ配線って普通のハムバッカーと少し異なるんですが、
BKP側がそのことも織り込み済みで作ってくれていたことが工房に持ち込んだ段階で判明し
しっかりしたメーカーさんだなぁ。
と感銘を受けました。
今はサウンドハウスさんでも取り扱いがあるため、無理に英語でやり取りする必要が無いのも良いですね。
コンデンサの交換
コンデンサは前々から気になっていたOvaltoneの~鵺~Nue Device NERO Ver.を購入しました。
http://ovaltone.net/products/parts/nue-device/
その後弦の太さを11-52に変えたこともあり、ナット幅のすり合わせ等細かい全体調整を行い完成しました。
1回目の改造結果
この改造はcoldrainのsugiを真似て作った形になります。
(sugiが使っているのは同じBKP製のAftermathという別製品らしいので少し異なりますが)
ピックアップとコンデンサを同時に交換してしまったためそれぞれの違いについて明言することは難しいですが、デフォルトと比べて
- 美味しいハイミッドとローミッドが出た。
- 余計なハイがカットされた(音色が少し丸くなった?)
- ハーフトーンが芳醇な響きになった。
ような気がします。
特にハーフトーンのクランチは初聴に思わずため息が出るレベルで良い音になりました。
2回目の改造(アームを使えるように)
さて、パーツの交換も終わり大満足・・・とここで終わるようなら、わざわざ「1回目の改造」なんて書いたりしないんですよね。
見えてきた不満・懸念点
ダウンチューニング専用にした後、以下の部分が気になるようになりました。
- クリーンもクランチもこんなに良い音するのにダウンチューニング専用にしておくには勿体ない
- ブリッジを下げていたらネジが一本折れてしまった
- クリケット奏法したい
②について補足ですが、PRSはブリッジ固定ねじが特殊な形状しているんですよね。
この詳細については下記ブログの方が詳しく記載して下さっているので参照させていただきます。
調べてみたところPRSのブリッジはネジに溝が切っており、ブリッジプレートの穴の内側のエッジがネジの溝を噛むことで安定するようになっているようです。
そう、本来であれば↑の窪みにブリッジプレートが上手く引っかかるようにセッティングするのですが、ブリッジべた付けとなるとネジの頭に引っかかるような形になってしまうのです。
結果、ネジの頭がもげるという事態になってしまいました・・・()
不幸中の幸いか、頭がもげたのは1本のみだったのですが他のネジにも同様に負担がかかっているだろうと判断し、PRSの性能を最大限に引き出すためにもレギュラーチューニングに戻すことにしました。
改造内容
いつもお世話になっているNGWさんにお願いして修理兼改造をして頂きました。
- ブリッジ固定ねじの交換
- アームが使えるようにフローティングの状態にしてもらう
- 弦の太さを11-52から10-49に戻す
- コンデンサをNEROからKz WorksさんコラボのNUEに交換
はい、今回もまたコンデンサを交換しております。
コンデンサ変更による効果のほどは後述。
2回目の改造結果(メリット)
無事クリケット奏法が出来るようになりました。これでPolyphia練習できるぞー。
コンデンサを変えた結果
正直に言うと、「うーん?」と首を傾げたくなる微妙な結果になってしまいました。
というのも、なんだか音のガッツがなくなってしまったような気がしたのです。
NEROの音を『瑞々しい芳醇な音』だとすると、交換後は『水気が少なくてボソッとした音』になってしまったような・・・。分かりづらいな??
考えられる原因は
- モダン向けのRagnarokとビンテージ志向のNUEの相性が悪い
- レギュラーチューニングになり、ギター本体の響き方が変わってしまったせい
- 純粋に好みじゃない
のどれかですね。
使い続けて耳が慣れる、或いはアンプを通したら印象が変わるかもしれない、と期待を込めてしばらく使ってみようかと思います。
あとがき
数年前までは、「PRSは成金趣味が使うギターだ!」「厨二のガキくらいしか使わない」なんて酷い言いようがネット上で散見されました。
ですがプロのアーティストでPRSを使う人が増えたことや、低価格帯のラインナップが充実してきたことから、今では初心者から上級者まで幅広くお勧めされるメーカーになりましたね。
これもPRSの丁寧な仕事と、マーケティングの上手さが着実に反映された結果だと思います。
一本だけギターを残すなら?という質問をされたなら、PRSと即答できるくらいには扱いやすいギターです。
以前より手に入れにくい価格帯になってしまったのが残念ですが、予算が許すのであれば是非ともお勧めしたいメーカーですね。