歌ってみた

【OTODASU】簡易防音室を買って1年経った話【レビュー】

昨今テレワークの普及やボカロブームの再来による影響で、防音室の需要が高まってきています。
しかし様々な理由により、防音室を買うのは一筋縄ではいきません。

まず、実況者や音楽家が買うような高級防音室はとても手が出せる価格ではないですね。
設営の手間や条件も考慮すると、現実的に厳しい方も多いかと。

よって必然的に簡易防音室が選択肢に上がると思いますが、こちらも数万~数十万する上に種類が多く、結局どれが良いか決められないなんてことに・・・。

りってん

簡易防音室のレビューが少ない!
安くない買い物だし失敗したくないよ!

そこで検討を重ねた結果、『OTODASU』という簡易防音室を購入しました。

それから約1年ほど使い続けて判明したメリット・デメリットもあるので、
・購入に至った経緯
・肝心の防音性能
までレビューを書いていこうと思います。
参考にしていただければ幸いです。

「結論だけ読ませて」という方は、目次から該当項目までスキップしてください。

購入に至るまで

歌い手として活動するために、録音する環境が欲しいと暫く悩み続けていました。

パッと思いつく選択肢として

  1. カラオケ録音
  2. 布団を被るor棚の中で歌う
  3. レンタルスタジオ利用
  4. 防音室購入

の4つが出てくると思います。
まず、①②は音質が悪くなる&近所迷惑になりかねないことから即却下しました。

レンタルスタジオを利用した時の話

実際にスタジオに2~3回行ってみましたが

  • 1回4~5000円(3時間)と出費が痛い
  • 時間制限があるので気軽に撮り直せない
  • 前日予約や当日移動など、行くまでに手間がかかる(忘れ物をすると悲惨)
  • 隣のバンド演奏の振動が響いてくる
  • プロ御用達の機材の使い方がわからない(→録音の時間が減る)

と、あまり良いものではありませんでした。
意外と盲点だったのが下二つ。

>隣のバンド演奏の振動が響いてくる
ボーカルブースだけ独立したスタジオ自体が少なく、隣接した部屋から響いてくるバスドラムの振動には特に悩まされました。

>プロ御用達の機材の使い方がわからない
録りたいのはボーカル一本だけなのに、ボーカル一本録るにはオーバースペック過ぎるオーディオインターフェースの複雑なUIや操作方法が理解できず、何度も時間を浪費してしまいました。
普段使い慣れている機器なら兎も角、スタジオにあるような機材は2~3回触れた程度ではとても扱いきれませんでした・・・。

毎回時間との戦いになるため焦り散らかしてしまい、「こんな状況じゃ納得いく録音なんて難しい」と思い、結局スタジオでの録音は断念しました。

防音室購入に向けて腹を括る

りってん

こうなったら簡易防音室、買ってみるか。

簡易防音室と一口で言ってもだんぼっち、very-Q、おてがるーむなど他にも選択肢がありましたが、

・簡易防音室の中でも、10万円と安価な部類
・内寸も1.2m(縦)*1.2m(横)*1.9m(高さ)と余裕がある
・2020年10月が発売日と比較的新しい
・高級防音室同様、レンタル期間があるなどサポート体制に安心感あり

と上記の点から、OTODASUの購入を確定しました。
とはいえ2021年7月当時、ブログやTwitterにもレビューがほぼ見かけられずめちゃくちゃ不安だったのを今でも覚えています。

※高級防音室を選択肢に入れられなかった理由

金額が高い事は勿論理由の一つにありますが、その圧倒的重量も無視できません。
0.8畳程度の小さいモデルでも約300kg、4畳レベルの大型防音室にもなると1トン近い重量になるので、集合住宅に住んでいる方は大家さんや管理会社に確認する必要があります。

私もダメもとで管理会社に聞いたところ、案の定断られました。
2階以上の場所に住んでるししょうがないね・・・

また、エアコンと接続する場合配管も考慮する必要があるなど、高級防音室の導入は一筋縄ではいきません。

実際に設営してみた

2021/6/24発注→7/12に発送連絡があり、それから数日後に私自身より大きい荷物が届きました
配送業者さんありがとうございました。

事前に友人2人にお願いしてあったため、男3人での設営となりました。
付属していた画質の荒いA4一枚の説明書を読みながら土台→横壁→屋根の準備に作成していきました。

作成風景等は特に撮影してなかったので、いきなりほぼ完成している写真になります。
写真に写っているのは手伝ってくれた友人。

扉を閉めるとこんな感じ。
内側に取っ手が無いため中から閉めるのは一苦労(現在は改良されているようです。)

大体30分~1時間程度で設営完了するかと思います。

ちなみに一人で設営するのは、よほどのムキムキマッチョマンでもない限り難しいかと。
(3人がかりでもそれなりに大変でした。)

追加でカスタマイズしてみた。(2021年7月時点)

純正の防音材もあったのですが、少しでも費用を抑えるために自前で改造してみました。

ちなみに一言で防音といっても実際は『遮音』『吸音』の2つを考慮する必要があります。
防音室導入を検討している方は調べてみると勉強になると思います。

さて、今回購入したのは以下のとおりになります。

上から順に
吸音材(スポンジ)
遮音シート
隙間用テープ
マスキングテープ
取っ手
写真には写ってないですが床に敷くための防音マットや、扉をしっかり閉じて固定するためのマジックテープも用意しました。

これらを適当なサイズに切って、ぺたぺた貼っていきます。

おおざっぱな性格がめちゃくちゃ出てます。
2022年8月現在は扇風機を入れたりともう少し配置を変えてあります。

そして扉からの音漏れを考慮し、余ったかけ布団を上からかけて完成としています。

防音性能は如何に?!

・私が普段通り歌い(大体80~100db)、
・リビング-キッチン間の扉を閉めて、
・扉の向こうにいる友人に聞いていてもらう
という方法で確認したところ、うるさいと感じることはないレベルまで音量が下がったとのことでした。

↑これだけだとあまりにざっくりとし過ぎているので、ちゃんとした計測結果については、
①防音室の中②防音室の外(同じ部屋の中)③キッチン(扉一枚隔てた向こう側)
の3パターンを音量測定アプリで計測し、その結果を後日追記したいと思います。

実際に使ってみて

メリット

・安心して歌えるようになった
・10万円程度で済んだのでコスパ良し
・サイズが大きいためスペースに余裕がある

デメリット

・外寸が1.25㎡ほどあるのでかなり場所を取る
・録音するときは扇風機が回せないので死ぬほど暑い
・防音性能に過度な期待はできない

簡易防音室買ったらこうなるよね、って感じの無難な結論に至りました。

マイクやスタンディングデスク、扇風機を入れる余裕があるため、歌う前のストレッチを行う際も窮屈さを感じません
ちなみに私のリビングはおよそ7~8畳ほどあり、そのうち1/4が防音室に割かれるサイズ感になります。
友達を家に呼んで遊ぶのが厳しくなりました。

風通しを犠牲にして防音性能を高めている為、暑さは殺人級です。冬でも汗かくレベル。
換気も殆どされないため、こまめにドアの開け閉めすることを意識しないとつらくなります。

室内の暑さと占有スペースさえ目をつむれば、今後無料で自由に使えるカラオケ兼録音ブースが手に入ったというわけで、結論としては大分いい感じです。

結論:買って正解

良い買い物できたなーと思います。

10万円弱と決して安い買い物ではありませんが、毎回レンタルスタジオで録音する場合と比べて費用を抑えられていると思います。

また、気軽に録音できる環境が出来たのは気持ち的な面で大きなメリットです。
スタジオやカラオケと違って時間の制限も無いため、ふと思い立った時に歌の練習や録音が出来るというのはこれ以上ないほど快適です。
汗だくになるので歌った後は風呂に入り直す手間が増えますが、まあ良い運動になったと思えば(?)

勿論、高級防音室が買えていれば最高でしたが、上記にもあったとおり予算やアパートの関係上不可能な話でした。
ということで、”今できる選択肢の中では“最適解だったかと思いますね。

簡易防音室をオススメできる/できない人

木造やハズレの軽量鉄骨賃貸だったりと、遮音性が低い家だと厳しいかと思います。

遮音性がそれなりにあるアタリの軽量鉄骨又は鉄筋コンクリートの家で、遮音性が元々確保できるのであれば選択肢に含められるかもしれません。

しかし一概に大丈夫とは言い切れないので、ここはどうしても運次第って感じです。

・少しでも不安要素を減らしたい
・何十万は払えないけど10万円前後なら払ってもいい
・近い将来引っ越す予定がある

といった方にこそオススメできるかと。

一躍有名になったadoさんも最初はクローゼットで録音していたと言いますし、最終的に大切なのは本人のモチベと工夫次第なのかもしれませんね。

あとがき

現在は島村楽器とコラボして『OTODASU2 LIGHT』という改良版が発売されているようですね。
煩わしかった扉の取っ手部分改良や、サイズの拡大が行われているようですので、是非チェックしてみてください。

追記してほしい部分等ありましたら、ツイッターのDM等で気軽に問い合わせていただければと思います。